技術情報 TECHNICAL INFORMATION
分析・解析技術 ANALYSIS TECHNOLOGY
技術開発センター保有設備
試作材作製
所望の成分に調整したアルミニウム合金を溶製し、各種鋳型に鋳造して試作材を作製します。必要に応じて熱処理を行います。
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【溶解·鋳造】
試験用溶解炉(電気炉)
溶解量約1~50kg
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【熱処理】
溶体化·時効処理炉
温風循環式電熱炉(最大550℃)
材料特性評価
試作材から各種試験に応じた試験片を採取し、アルミニウム合金の機械特性、金属組織ならびに鋳造特性を評価します。
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【機械特性】
引張試験機
常温、高温
(ともに最大荷重10t) -
【機械特性】
硬さ試験機
ブリネル(HB)
ロックウェル(HRB)
マイクロビッカース
(HV0.025~1) -
【機械特性】
衝撃試験機
5kg, 10kg
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【機械特性】
磨耗試験機
大越式
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【金属組織観察】
実体顕微鏡
0.67~4.5倍
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【金属組織観察】
金属顕微鏡
50~1000倍
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【金属組織観察】
走査電子顕微鏡(EDS付設)
30~30万倍,元素分析Be~U
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【鋳造特性】
流動性試験機
MIT式
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【鋳造特性】
引け特性評価
テータモールド法
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【鋳造特性】
凝固曲線
AEメーター
インゴット・製品品質評価
固体発光分光分析法および湿式化学分析法によりアルミニウム合金中の成分元素を定量分析します。また、アルミニウム合金溶湯中のガスおよび介在物量を測定します。
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【溶湯品質】
ガス分析装置
不活性ガス融解-熱伝導度法
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【溶湯品質】
介在物評価
Kモールド法
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【元素分析】
固体発光分光分析機
JIS11元素,P,Na,Ca,Sr等
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【元素分析】
原子吸光光度計
Cu,Mg,Zn,Mn他多種
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【元素分析】
紫外線可視吸光光度計
Fe,Ti,P,B
鋳造欠陥(介在物)解析
介在物の混入経路は多数あり、種類や形状は多様です。一般的には酸化物系, 炭化物系のほか粗大な金属間化合物があります。介在物の一例として, 酸化物系介在物の解析例を示します。
SEM像
(1000倍)
EDS元素分析
化学分析
湿式化学分析
試料を酸溶液等により溶液化し、重量法等により目的元素量を測定します。化学量論に基づき合金中の微量元素量を高精度に定量します。
当センターでは、湿式化学分析で成分値を値付けした標準試料を作製し、自社製合金地金品質管理の基準としています。
ガス分析
ガス分析
アルミニウム中へ溶け込む気体の大部分は水素です。液相と比較して、固相への水素溶解度は極めて低いです。
溶湯中に水素ガスが多量に含まれていると鋳塊内にガス孔が発生して鋳塊品質に悪影響を及ぼします。従って、溶湯中の水素ガス量を正しく評価することは地金品質管理上、極めて重要です。
アルミニウム中の水素ガス量を評価する方法には、生産現場で用いられる定性・半定量的分析法の他に、精度よく定量できる実験室的分析法があります。
実験室的分析法の一つである不活性ガスキャリア抽出法は、固体試料を不活性ガス気流中で溶融し、試料から発生する水素ガスを含むキャリアガスの熱伝導度変化を水素ガス量に換算します。分析操作が簡便かつ分析時間が短い特長があり、広く用いられています。